樹海人魚2:中村九郎

ますます文章が読みやすくなって、むしろ物足りないくらいだった。いよいよ中村九郎も牙を抜かれたか…。と思ったらあとがきはいつもの九郎先生のノリ。あの独特の文体と、普通の文体とを上手く使い分けることができるようになったのなら、それはすごいことだなぁ、と思いました。
異能バトル+ヒロインたちが繰り広げる修羅場という、わりと王道な感じ。中村九郎の作品は複雑怪奇な表面を剥ぎ取ると中身は案外シンプルなんだよな、ということを再確認する。霙の可愛さはまったくもって異常。彷徨市にて、自分の口調のおかしさを気にして涙ぐんでるあたりの霙は、とんでもなく嗜虐心をそそりますね。であります。