騎條エリと緋色の迷宮 英国亭幻想事件ファイル:秋月大河

あ、いま気づいたけどこのタイトル、『緋色の研究』のもじりなのね。
美少女学者エリと僕を巡るミステリーってあらすじには書いてあるけど。推理小説というよりは探偵小説、というより怪奇小説みたいなのに近い? 犯人は謎の植物に寄生されて怪物化してるし。『神様のメモ帳』の設定で『パラケルススの娘』をやってる感じかなぁ。どんなんだよ。
主人公の皐月くんがすげー面白くて、小説家やってるくせに、もんのすごい頭が固いの。口癖は「そんなわけないでしょう」とか「そんなことあるはずがない」とか。ただでさえ理解の遅い皐月くんだけど、ストーリーのほうはテンポ良く進んでいくから、余計においてけぼり食らっちゃってる。愛すべきワトスン君。
探偵役のエリさんは、ちょっと人間味のないキャラで、ちょっとヒロインって感じがしない。学園物でいうところの「完璧超人な生徒会長」みたいなもので、憧れの対象とはなっても恋愛対象にはなりにくいような。メイドの葵さんのほうがよっぽどヒロインっぽいのが悲しい。
おお、この人って、スーパーダッシュ文庫の『神舟』の作者なのか。そちらの作品は読んでないけど、妙にこなれてる風なところがあるのはデビュー済みだったからかな。