戦う司書と終章の獣:山形石雄

和やかだった前巻から一転、いきなり世界の危機に。丸一冊掛けてルルタ様の最強っぷりと非モテっぷりが延々と語られるだけなのに、それなのになぜこんなにも面白いのか不思議です。2000年間の引きこもり生活の末、「いくら他人が幸せになっても自分がモテるわけではない」という事実にようやく気づいたルルタ様の、八つ当たりとしか思えない攻撃により、マットアラストもユキゾナもボンボもミレポもエンリケも、そしてハミュッツも倒れていく。この圧倒的な絶望感。残された大きな謎。この物語の結末を予想することなどできません。ただ一つ言えるのは、若かりし頃のハミュッツの眼鏡姿はとてもチャーミングだということです。