神様のメモ帳3:杉井光

新たなボクシングラノベがまたひとつ。
アリスってこんなデレが多かっただろうか。いや、ナルミが成長しているのか。口が上手くなってるのはヒロさんからの影響だな。ヒロさんからは口の上手さを、四代目からは渡世の仁義を、テツ先輩からは格闘術を、少佐からは…えっと…少佐って影薄いよな。とにかく各人の最も優れた部分を融合させた最強生物が誕生しつつあるわけだ。
彩夏、薫子さま、百合子先生、テツ先輩、羽矢野友彦に皆川憲吾、死んだ人間と生きている人間が複雑に絡み合っていたのが次第に解きほぐされて一本に繋がるあたりは、このシリーズの特徴であり最も面白い部分。しかし真相に辿りつくまでアリスの頭の中で何回論理の飛躍が行われているんだろうな。これ、本格ミステリ的な意味で解けるものなんだろうか。
薫子さまはいかにもツンデレそうな、デコ全開の規律にうるさい生徒会長というキャラで、もし『神様のメモ帳』が学園中心のラブコメだったら彩香の恋敵、かつ屈指の人気キャラとなっただろうに。なんかちょっともったいない感じがしないでもない。
7月に一迅社文庫のほうで新刊、8月の電撃文庫の新刊にピアノソナタが入っていて、5月のイタカ、6月のこの神メモと合わせて4ヶ月連続刊行か。フル回転って感じだなぁ。特にピアノソナタが楽しみだ。