スプライトシュピーゲルII Seven Angels Coming:冲方丁

今回はスプライトのが面白かったなー。いや、単純に厚さの問題だと思うんだけどさ。スプライトIIが主力で、オイレン弐が別働、みたいな。そんな感じ。
乙と雛が可愛い。オイレンの三人に嫉妬して、お洋服を欲しがったりして。それを鳳が宥めて。家族っぽい。螢と皇がいた頃は鳳が泣き虫のこどもで、二人がいなくなれば鳳が乙や雛を世話する母親になる、鳳がいなければ乙が雛の面倒を見る。自然に親⇔子供の関係がつくられる感じ。で、それに加えてスプライトでは、指揮側の様子がちゃんと描かれてるんよね。ヘルガとかバロウ神父とか。家族というならMSS全体が一つの家族みたいなものなんだろうか。
事件そのものもまたハリウッド的というか、最初にひとつの事件があって、その背後にあるもっと巨大な事件が小出しにされていく、最後の最後になるまで事件の全貌は明らかにされないというような、かなり全体像が把握しづらいタイプのシナリオで、ただシュピーゲルシリーズの場合はスプライトでざっと把握してオイレンで再確認、あるいはその逆、という読み方ができるので、複雑な構成向きなのかもと思った。