ばけらの!:杉井光

いやまあなんと驚いたことにイヅナがマジで可愛いんだよ。作者は「2ページに1回は耳と尻尾の描写を入れる」ことを自らに課していたらしく、本家に勝るとも劣らぬ獣耳度を備えている。しかも口調がまんま男なんだよな。リアル支倉凍砂もこんな感じなんだろうか。実在の男性作家を美少女として描くというのは、これも一種の擬人化であり、また性転換でもある。萌えすぎる。
しかしどうして「杉井ヒカル」は性転換させなかったんだろう。ヒカルとイヅナで百合百合させることこそ何より重要な点ではないか。実在の男性作家なんて見たくないんだよちくしょう。…いやまあ、実際のところ「杉井ヒカル」はあまり作者本人という感じはしなかった。ものすごい鈍感で、情けなくて、落ち込むときには死ぬほど落ち込むけど、やるときにはやりまくるキャラ。杉井光の他作品の主人公と同じタイプなんだもの。
id:trivialさんが問題提起している件だけど、このあたりを信用するかぎりでは『ばけらの!』を脱稿したのは08年7月9日であり、つまり「あとがき(を含めた作品全体)」を書いたのが二○○八年七月、「ほんとうのあとがき」を書いたのが二○○八年八月、と素直に解釈するのがいいのではなかろうか。
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