アクマ・オージ:岡崎裕信

男女を問わず周囲の人々を誘惑する魔性の美少年の話。…いや、なぜか変態に好かれてしまう可哀想な美少年の話、か? あらすじを読んでファンタジーかと思ったけど、とりあえず人外は登場しなかった。かぎりなく人外に近い変態が登場するだけだった。どことなく『紅』に似ている。やたら犯罪が蔓延っている社会、変な拳法を学んでいる主人公、純真無垢なヒロイン。内容的にも、AV出演、麻薬密売、万引きと、刺激的な題材が並ぶ。とはいえ文体があっさりしているのでわりと読みやすい。なかなか不思議な読後感だった。この中では鮎川子猫の話が良かったなぁ。いちばん倒錯してる。