泣空ヒツギの死者蘇生学:相生生音

西尾維新系の文章・ネーミングセンス + 電撃お得意の学園異能 + ツンデレ + ヤンデレ。もうてんこもりという感じ。とりあえずどういう作品かを知りたい人はプロローグを読めばいいと思うよ。一発で分かるので。
日常と非日常の対比、ツンデレなメインヒロイン、メインヒロインと幼馴染の対決、という学園異能のパターンを綺麗に踏襲したストーリー。主人公が死ぬところから始まるというのも定番だなぁ。開始早々に撲殺された主人公は、連続猟奇殺人事件の被害者の死体を繋ぎ合わせたフランケンシュタインとして蘇るわけだけども、どうせなら羽鳩戸愛心の胸部に四刀井諦あたりの下腹部をチョイスして性転換物にすればよかったのにと思ったのは俺だけか。ああそれだと顔がきもいか。
幼馴染の本性は分かりやすすぎるくらいなんだけど、それでも読んでてガツンとやられましたよ。素晴らしい。ここまでオーソドックスなヤンデレは、ライトノベルでは久しぶりじゃないかな。めちゃ怖いし、超つおい。某キャラがあっさりやられたときはもう笑うしかなかったよ。愛の力は偉大ですね。
いかにも新人のデビュー作ですという感じだけど、ちゃんと面白いし、編集部的にもかなり力が入っているようなので、そのうちドカンと売れるかもなぁ。初めて『禁書目録』を読んだときの印象に近い。期待。
あと、230ページの挿絵と、299ページの挿絵が最高だと思った。