機械じかけの竜と偽りの王子:安彦薫

電撃冬の戦記ファンタジー祭り第二弾。合言葉は「人類皆ロリコン」。絶世の美少女に「兄様」とか呼ばれて主人公が参ってしまうのは仕方ないにしても、いい歳した大貴族たちが揃って「姫様」「姫様」って、どんだけロリコンなんだよこいつら。リュクサリアってのは変態の国なのかよ。と思ったら、主人公のライバルとおぼしき敵国の機士までもが、戦場で幼女をはべらしているという。どいつもこいつも病気なんですね。いいぞもっとやれ。
戦記物ではあるけど、それ以上にロボット物してる。特別な機体に選ばれる主人公。主役機にもれなく付いてくる美少女。一匹狼を気取るライバル。危機に陥ったとき発動する特殊能力。ロボットの動力やら何やらはさっぱり説明されないけど、そこは「ファンタジーです」ということなのだろうか。
真昼間から妄想に耽るロリコン貴族・エリクソン氏(38)のキャラは立ちすぎているほどに立っているのだけど、それ以外のキャラが弱いなぁ。まあ全体的にストーリーの進行を重視して、キャラの掘り下げはあんまり気にしてないような感じ。そこらへんは次巻に期待か。メイドのミリアムさんなんかは、かなり存在感を発揮していて、挿絵も素晴らしかったけど。そういや部屋を飛び出してったきり帰ってこなかったなぁ、ミリアムさん。いまごろどこで何をしているんだろう。