Gunning for Nosferatus 1 此よりは荒野:水無神知宏

吸血鬼退治の西部劇。上手くてかっちりしてて、いかにも実力派という感じ。頼りない主人公、頼れるヒロイン、トリックスター的に振舞うお姉さん、主人公を慕うロリっ娘、というカルテットで、世にも恐ろしい吸血鬼やアンデッドに立ち向かっていく。とはいえ主人公はヘタレだし、ヒロインはそっけないし、お姉さまは戦えないし、ロリっ娘はかわいいしで、誰が味方で誰が敵かも分からないような状況が続く。そんな中で主人公がいっぱしの男になるまでを、400ページ近い作品とはいえたった1冊の中で描き切っているのはすごい。おもしろい。
ステラさんといい、サンディといい、年上のかっこいいお姉さんが魅力的に描かれているなぁ。ステラさんが鞭でサンディが飴って感じ。ステラさんの圧倒的な実力、冷酷にも思えるほどの厳しさ。対するサンディの溢れんばかりの色気、姐御と呼びたくような面倒見の良さ。ああ、ジョゼたんかわいいよジョゼたん。
「1」と銘打っているからには「2」が出るはずで、今回のようにステラさんがやたら冷たいこともないだろうし、旅する四人の軽妙なトークなんかを読みたいなぁと思う。期待。