無限のリンケージ -デュアルナイト-:あわむら赤光

パワードスーツを纏った選手たちが戦うスポーツ物と、戦争に明け暮れる小国の姫と騎士の恋物語、をサンドイッチしたような作品。やや具を詰め込みすぎかなぁ。遠未来SFと中世ファンタジーはさすがに雰囲気が違いすぎる。ギャップの面白さよりも違和感のほうが強かった。とはいえ、個々のストーリーは非常に良い。特にモス・サーペント戦、騎士道を重んじるロバートが選んだ決着の方法。ひたすら信念を貫く熱血主人公が多い昨今、こうした展開は新鮮に思える。素晴らしい。
語り手であるサクヤの、ベタベタな恋する女の子っぷりも良いなぁ。実はかなり乱暴で粗野な性格なのに、ロバートさんのためにかっこつけてクールビューティを装っているという。というか回想に登場した蓮っ葉な喋り方のサクヤのほうが萌えるんだけど。どういうことなの。なにがあなたを変えてしまったの。いろんな意味でロバートさんが憎い。
今回は新人らしい荒っぽさが悪く作用したようだけど、実力はかなりのものだと思う。次回作に期待。