花守の竜の叙情詩:淡路帆稀

単巻完結の良作。前半は、十二国記の『風の万里 黎明の空』の祥瓊さんのエピソードみたいな感じ。民の暮らしを知ろうとしなかった亡国の王女がそのことをネチネチと責められるみたいな。でも後半からは王子と王女のラブロマンス的な雰囲気に。

孤独な二人の長い旅が始まる――。

とあらすじに書いてあるので、ロードムービーっぽい話かと思いきや、意外なほどに目的地までは近かった。むしろ、怪我の療養と称してゴール手前で擬似新婚生活している方に紙幅が割かれている。それも子ども付きだし。できちゃった婚かよ。どこが孤独なんだよおまえら。
オチに関してはさすがにファンタジーすぎるだろとは思うものの、とりあえずはハッピーエンドで何より。アマポーラさんには幸せになってもらいたい。できればヤンデレちゃんも幸せになってもらいたかったけど…。